診療のご案内

Q&A よくある質問

Q1 乳がんってどんな病気?
Q2 乳がんになるひとが増えてるってほんと?
Q3 乳がんは早期発見すれば治るの?
Q4 マンモグラフィってなに?
Q5 マンモグラフィって痛いと聞きますが・・・
Q6 被ばくが心配で・・・
Q7 マンモグラフィで乳がんを診断できないことはあるの?

Q1 乳がんってどんな病気?

乳房にある乳腺に発生する悪性腫瘍です。

乳がんとは

乳がんとは

乳がんは乳腺から発生するがんです。乳房は主に乳腺と脂肪からなっています。乳がんは組織学別レベルでみると、乳腺実質である乳管や小葉から発生します(図)
乳がんの症状はさまざまで、しこり、血性乳頭分泌、乳頭の陥没、皮膚のくぼみ、痛み、わきの下のしこりなどがあります。また、乳がんは、乳房の外側の上部に最もできやすいといわれています。

乳腺は、乳頭から乳管(母乳が通る管)が順次分岐する枝状の構造をもった腺葉からなっています。分岐した枝状の乳管のさらに奥には小葉があり、1つの腺葉は多くの小葉と乳管からなっています。片方の乳房には 15〜25の腺葉が入り組んで成り立っており、それぞれがほぼ独立しています。腺葉と腺葉の隙間(間質)は、繊維性の結合組織や脂肪で満たされ、繊維性の結合組織は真皮に達してクーパー靱帯を形成しています(図)。がん細胞が乳管や小葉内に留まり、周囲への浸潤がみられないものは非浸潤性がんといいます。この時期のものは、リンパ節への転移も起こらない最も早期のがんですが、臨床的に発見される乳がんのほとんどは、がん細胞がすでに間質へ浸潤した状態の浸潤がんです。細胞ががん化して増え始めるとしこりになりますが、初期にはほとんど全身の症状がありません。そのため唯一の乳房の変化に気づかずにそのまま放置しておくと、乳腺の外にまでがん細胞が増殖し、血管やリンパ管を通って全身へと広がっていきます。

Q2 乳がんになるひとが増えてるってほんと?

日本人女性の乳がん患者数や死亡数は、年々増加しています。

乳がん罹患者数、死亡者数

乳がん罹患者数、死亡者数

日本における乳がん罹関数(発病した数)は年間4万人以上と増え続け、女性のがんとして最も多いがんとなっています。また、乳がんによる死亡数も1万人以上(2006年)と増え続けています。
何といっても、日本人女性の乳がんは、若い年齢で発症することが大きな特徴です。30歳代から増えはじめ、40歳以上になると急激に増加しています。

乳がんが増えている原因として、食生活の欧米化に伴って生活習慣が著しく変化したことが、乳がんの増加と密接に関係しているようです。カロリー過多な食生活によって、肥満、つまり体内の脂肪が増加する女性が増えています。皮下脂肪はエネルギーの貯蓄だけでなく、エストロゲンなどの女性ホルモンも蓄えるため、体の脂肪量が増えると体内のエストロゲン量も増えることになります。特に閉経後は脂肪組織が女性ホルモンを生成するため、肥満の人ほど女性ホルモンが多くなります。乳がん発生のリスク因子として過剰な女性ホルモンの影響が指摘されていますが、閉経後に乳がんが増加するのは、肥満が大きなリスク因子といわれています。また、近年の女性の社会進出による未婚、高齢出産などもエストロゲンにさらされる期間が長くなる原因となるため、乳がんのリスク因子の一つとなっています。その他のリスク因子として長期間のホルモン補充療法や乳がん家族歴などがあります。

Q3 乳がんは早期発見すれば治るの?

早期なら9割以上が治癒します。早期発見のために、定期検診が大切です。

乳がんは治る病気です。ただし、それには早期発見が鍵を握ります。日本乳癌学会が乳がん患者の10年間の生存率を調べたところ、超早期のTisと呼ばれる段階では94.72%、しこりや画像診断(超音波・マンモグラフィ)などで病変部を確認できない0期では95.45%。ともに約95%の人が生存していました。一方、しこりの大きさが5センチを越えるⅢa期では58.74%、しこりの大きさを問わず他の臓器に転移が見られるⅣ期では25.49%と生存率が下がっています。早期発見・早期治療のためにも自己検診やマンモグラフィなどによる定期的な検診が大切なのです。

Q4 マンモグラフィってなに?

乳房専用のx線装置で乳房を撮影する検査で、乳房を圧迫して撮影します。
◆専用の装置で撮影します。

マンモグラフィ

マンモグラフィ

マンモグラフィ(「マンモ」とは「乳房」を意味する「マンマ」からきています)は、乳房にX線を当てそのX線の吸収の差をフイルムに写し出すもので、胸部や骨のX線検査などと原理はまったく同じです。他の撮影と大きく違うところは、乳房は全体が柔らかい組織でX線の吸収差が少ないため通常のX線装置では撮影することが出来ません。そのため、乳房専用のX線装置を用いる必要があります。マンモグラフィでは、乳腺内に出来る微少石灰化(乳癌による非常に小さな石灰化)や触診のむずかしい小さな腫瘍陰影を描出することもできます。マンモグラフィの検査はそういった微少石灰化の早期発見、またそれが良性なものか否かの診断に大変有効です。

◆実際の撮影は・・・

検査方法は、2枚のプラスチック板の間に乳房をはさんで圧迫し、上下や左右方向から撮影します(写真)。通常は左右を比較するために両方の乳房を2回ずつ、合計4回撮影します。異常が疑われた場合には、スポット撮影や拡大撮影を追加することがあります。検査には10分~20分かかりますが、実際にX線が放出されるのは数秒です。

マンモグラフィ画像

マンモグラフィ画像

 
マンモグラフィ画像

マンモグラフィ画像

 
マンモグラフィ撮影

マンモグラフィ撮影

Q5 マンモグラフィって痛いと聞きますが・・・

正しい診断の元となる写真を撮るためには、乳房を圧迫して撮影する必要があります。

乳房を圧迫して撮影

乳房を圧迫して撮影

よいマンモグラフィを撮影するためには乳房を圧迫することがとても重要です。というのは、透過力の弱い軟X線を用いているため、圧迫して乳房の厚さをできるだけ薄くし、細かい乳腺や脂肪組織を写し出す必要があります。こうすることによって、小さな病変を見つけやすくなり、乳房の被ばく線量も少なくすることができます。また、圧迫時は機械的に一定以上の圧力はかからないように設計されていますので、ご安心ください。
ただし、年齢などにより個人差はありますが、一般的に月経が始まる直前はホルモンの影響で乳房が張り、人によっては撮影時の圧迫によって痛みを感じる場合があります。また、乳腺炎や乳腺症の既往がある人も強い痛みを感じる場合があります。閉経前の人では月経後の乳腺のやわらかい時期(月経開始後7~10日)に検査を受けるのが適しています。痛みが我慢できない際は遠慮なく撮影技師に申し出てください。適宜対応いたします。

Q6 被ばくが心配で・・・

x線の量は少なく、ほとんど危険はありません。

人間は普通に生活していても宇宙や大地などから自然に放射線を浴びています。1年間に浴びる自然放射線は2.4msv(ミリシーベルト:放射線の単位)といわれています。マンモグラフィでは1回の撮影あたり0.1~0.2mSvです。これは東京からニューヨークへ飛行機で行く時に浴びる自然放射線の約半分といわれています。したがって、マンモグラフィ撮影によって健康に影響を及ぼすことはありません。早期乳がんが発見できることのメリットのほうがはるかに大きいのです。
ただし、妊娠中、授乳中に検査を受ける人や、妊娠の可能性がある場合は必ずお申し出ください。実際には悪い影響はありませんが、検査法によっては注意すべきことが異なりますので、撮影を検討させていただくことがあります。

Q7 マンモグラフィで乳がんを診断できないことはあるの?

マンモグラフィですべての乳がんがみつかるというわけではありません。

マンモグラフィは、手には触れない非常に早期の乳がんのサインである石灰化をピックアップできるため、全く症状のない人たちを対象とする検診の方法として大変優れています。しかし、乳腺の密度が高い人の場合、乳腺に隠れてしまい異常と正常の区別がつかない場合があります。
一般的に乳腺は年齢とともに委縮し、脂肪へと置き換わっていきます。完全に脂肪に置き換わった乳房ではがんがはっきりと写るため、見落とす事がありませんが、若い人の乳房では乳腺組織が多く存在するため、がんが正常乳腺のなかに隠れてしまい、異常所見を見つけることが難しくなります。

(資料提供:NPO法人 乳房健康研究会 「マンモグラフィQ&A」、「ブレストケアと乳がんについてお話しましょう」 )
『マンモグラフィあれこれQ&A』は厚生労働省及び国立がんセンターがん対策情報センターより発表されている統計データ等をもとに制作しています。無断で印刷・複製・転用・引用等の二次利用はおやめください。