診療のご案内

下肢静脈瘤の診断と治療

下肢静脈瘤の検査

当院では、下肢静脈瘤を訴えて来られた患者さんには以下の検査を行います。


図1:携帯Doppler

■超音波ドップラー法

患者さんに立っていただき、簡易超音波血流計を使用して、表在静脈の血液逆流の有無と程度を検査します。


図2:脈波検査

■空気脈波検査

下肢を上げ下げしたときの下腿の容量変化を、空気を媒体として測定することで無侵襲的に下肢全体の静脈還流機能を定量的に評価できます。下肢全体の静脈逆流、静脈閉塞および下腿筋ポンプ機能が測定できます(図2)。



■ABIフォルム

動脈疾患併存の有無を見るために行います。四肢血圧を自動測定し、下肢動脈の狭窄・閉塞を判定できます。血圧測定と同時に脈波伝播速度(PWV)も自動計測するので、動脈硬化の程度も判定できます。


図3:超音波エコー検査

■超音波エコー検査

下肢静脈瘤は、通常、表在静脈の血液逆流により出現しますが、深部静脈の逆流や血栓症、不全交通枝による症状を認めることがあります。この場合は超音波検査による評価が必要です。



図4:3DCT

■三次元CTスキャン撮影法(3DCT)

超高速128列マルチスライス3DCT により、造影剤を使わずに下肢の静脈瘤を撮影します。表在静脈の走行や拡張の程度、不全交通枝の有無を立体的に評価できます。手術適応及び手術方法を決める上できわめて有用です。



■生体電気インピーダンス法(InBody S20)

下肢静脈瘤の患者さんは、よくむくみを訴えて来院されます。その場合には本検査を施行して浮腫の程度や部位を検査します。同時に体脂肪率や筋肉量が測定されます。治療効果の判定にも使えますが、今後の検討が必要です。※InBody S20の項を参照して下さい。


下肢静脈瘤の治療

上述した検査を施行し、下肢静脈瘤の病型分類や重症度を評価します。静脈瘤は逆流する血管の種類により

  1. 伏在型
  2. 分枝型
  3. 網状型
  4. クモの巣状型

の四型に分類されます。伏在型静脈瘤では外科的治療が必要になりますが、当院では日帰りストリッピング術を積極的に行っています。
※日帰りストリッピングの項を参照して下さい。


■保存療法

弾性ストッキングや弾性包帯で、下肢にできた静脈瘤(こぶ)を外から圧迫することにより、静脈の逆流と静脈瘤内に血がたまるのを防ぐ方法です。しかし根本的な治療法ではなく、静脈瘤の進行を防ぐためのものです。



図5:硬化療法の写真

■フォーム硬化療法

軽いタイプ(網状型、クモの巣状型)の静脈瘤に対して、硬化剤という薬剤を泡状にして(フォーム)静脈瘤に直接注射する治療方法です。外来にて治療が可能です。



■高位結紮術(こういけっさつじゅつ)

静脈瘤の原因となる静脈を深部静脈合流部で結紮切除し切り離す治療法です。フォーム硬化療法を併用しますが3年以降の再発が多く最近はあまり行われなくなりました。当院では過去に1000例以上の経験がありますが、再手術の困難性と日帰りストリッピング術の簡便性から、もっぱら後者を選択するようになりました。



■ストリッピング術

手術により静脈瘤の原因となる伏在静脈を抜去し表在静脈瘤を切除する方法です。再発が最も少なく確実な治療法です。当院では1997年以来、全国に先駆けて積極的に日帰り手術を行っています。※日帰りストリッピング術の項を参照して下さい。



■血管内レーザー焼灼術

静脈瘤内に、細いレーザーファイバーを直接挿入し、静脈瘤を内から焼却する新しい治療方法です。局所麻酔による日帰り手術が可能で、ストリッピング術と同様の効果が得られると言われています。2011年1月より保険診療が認められるようになりましたが、当初は波長が980nmのレーザー治療のみで、術後の疼痛や皮下出血等の問題があり当院では採用を控えておりました。しかし、2014年6月より、より確実で合併症(術後疼痛、皮下出血等)が著しく少ない1470nmのレーザーが保険収載され、当院でも8月に北海道2台目の機器を導入しレーザー治療を始めました。