2019年10月1日から当院で総合診療科を立ち上げました。
総合診療科というのは、簡単にいうと「何でも相談にのってくれる総合的な医療」ということになります。日常的に起こる健康問題の大半について解決し、各臓器別の枠を超えて、また身体と心、そして家族背景や社会的な背景を踏まえながら全人的に診療していきます。いつでも何でも気軽に受診でき、そして継続的に診ていくことを特徴とします。以下のような特定の診療科への受診が難しい患者さんの診療を行います。
様々な症状に対して、診断・治療そしてマネジメントを行います。高度で専門的な治療を要する場合、解決が難しい病気や特殊な検査が必要な場合は、各高次医療機関と連携して問題の解決にあたります。
難病や悪性腫瘍の終末期の方には、できるだけ苦痛を取り除く緩和医療をおこないます。「治す医療」だけでなく、地域の医療・福祉・介護・保健とつながり、「支える医療」を提供していきます。通院困難な方には訪問診療を、最期まで自宅で過ごしたい方には、在宅でのお看取りもおこなっています。未病の方には、健診や予防接種など予防医学的なアプローチをおこなっていきます。
日本プライマリ・ケア連合学会に所属する家庭医療専門医、プライマリ・ケア認定医・指導医が中心になって総合診療科を担当していきます。今までは「内科」という枠で地域の総合診療を担っておりましたが、新たに「総合診療科」として活動をしていきたいと思います。何でもお気軽にご相談ください。
日本が高齢化社会といわれるようになって久しいですが、地域ではますます高齢化が進み、さらには若年人口が都市部へと流出することで介護力不足が問題となっています。高齢者や病気・障がいで自立した生活をするのが困難になった人を支えるには、地域全体で支えあう仕組みがなくてはなりません。住み慣れた街で自分らしく最後まで暮らし続ける仕組みとして、「地域包括ケア」という概念が登場しました。日常生活圏内で、「医療」「介護」「介護予防」「住まい」「自立した日常生活の支援」の5つの要素が一体的に提供される仕組み、あるいは状態を指します。高齢者の中には、治せる病気はすでに治療し、治せない病気(例えば認知症・悪性腫瘍)や障がいと共に生きている人が多くいます。そのような場合に大切なのは、日々の生活を支えるための医療や、やりたいことをかなえさせるための医療です。多くの調査で、概ね6割の人が、療養する場所や最期を過ごしたい場所として「自宅」を選んでいます。しかし、現状では約8割の高齢者が病院で亡くなっています。
平成26年の芽室町高齢者アンケート(3081人)では、「最後は自宅で過ごしたいが現実は厳しい(1652人)」、「最後は自宅で過ごしたい(499人)」という結果となっています。つまり約7割の方が在宅での生活を望んでいるのです。
そのような背景から、当院では平成27年度から訪問診療を開始しました。住み慣れた自宅で最期まで過ごしたいと考える患者さんに対して、総合診療に従事している医師が、訪問看護・訪問薬剤師・訪問リハビリなど多職種と連携しながら定期的にご自宅に伺い診療します。主に悪性腫瘍、慢性心不全や呼吸器疾患などで通院が困難な方を対象とし、終末期に際しては、在宅看取りもおこなっています。必要に応じて緊急往診もします。詳細については地域連携室にお問い合わせください。
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